行って宮の中に立ち、人々にこのいのちのことばを、ことごとく語りなさい(使徒の働き 5:20)
宮では「使徒たちの手によって、多くのしるしと不思議なわざが人々の間で行われ」(使徒 5:12)ていた。イエスが各地を巡って宣教したスタイルと同様に、ここでもみことばの宣教と同時に病人の癒やしが行われていたことは、これがイエスによるわざであることがはっきり示さたということか。うわさを聞いて付近の町々から大勢の病人が集まってきた。
この有様に憤慨したのが「大祭司とその仲間たち全部、すなわちサドカイ派の者」(18)であった。死者の復活はないという教義を唱える彼らは、「復活したイエスの名によってなされている」という使徒たちの行動を許すことができなかった。彼らは使徒たちを捉え、留置場に閉じ込めるが、何と、そこに主の使いが来て、「行って、宮の中に立ち、人々にこのいのちのことばをことごとく語りなさい」(20)と、牢の戸を開き、彼らを連れ出したのだ。
サドカイ派の彼らは、自分たちの権威を脅かし、自分たちの神学の枠に収まりきらない出来事が起きていることに狼狽した。しかし、神のみわざは、私たちの理解や常識を超えているのは当然のこと。そして、神のことばには、いのちがあり、力があり、絶対的な権威がある。このいのちことばを語らせていただけること、そして主のわざを見せていただけることは、何と幸いなことであろうか。