キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。(ピリピ人 3:14)
Ⅰコリント9章で、パウロはこの世のアスリートたちの姿を見習って永遠の栄誉を得るように走ることを教えているが、ピリピ教会に向けても、パウロ自身が「目標を目ざして一心に走っているのです」とはっきりと証ししている。
ユダヤ人のエリートとして育ち、新進気鋭の宗教家として注目を浴びていたパウロだが、キリストと出会うことによって、価値観が一変する。「私はキリストのためにすべてのものを捨てて」(ピリピ3:8)、「キリストを得る」ことこそが、人生で最も価値あることだと悟ることとなる。「それを得るようにとキリスト・イエスが私を捕らえてくださった」(9)と、キリストの一方的な救いの恵み、神から与えられた神の子としての立場にふさわしくありたいと切なる願いを語っている。パウロが「ただ、この一事に励んで」(13)いるその目標は、「ご自身の栄光のからだと同じ姿に変えてくださる」(21)ことなのである。この一時に励んで歩もう。