今、わたしはこの場所でささげられる祈りに目を開き、耳を傾ける。(歴代誌第二 7章 15節)
(サムエル記1章より)
子どもを授からないことで心を痛めていたていたハンナは、宮で涙の祈りをささげていた。そして誓願を立てて「もし、あなたがはしための苦しみをご覧になり、私を心に留め、このはしためを忘れず、男の子を下さるなら、私はその子を一生の間、主にお渡しします」と祈る。それは自らが主のしもべであることをわきまえ、主は憐れみ深い方であることを信じての祈りであり、主が願いを叶えてくださったら、彼女は一番大切なものを主に差し出すという献身の祈りであった。
果たして、主はその祈りに答えられ、翌年男の子が生まれた。主の御名によって祈った答えとして神がくださったということで、その子はサムエル(「その名は主」の意)と名付けられた。彼は主のもとで成長し、やがて神の民イスラエルを正しく導く者となっていく。一人の母の祈りが神の民全体の祝福につながったのである。
私たちは皆、母親から生まれ、誰かに祈られて主を知るものとなったことを覚え、肉の母、霊の母に感謝するとともに、人の祝福のために祈る者となりたい。