わたしはあなたがたに新しい戒めを与えます。互いに愛し合いなさい。
わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。
(ヨハネの福音書13章34節)
最後の晩餐の席で、イエス様は、弟子の一人が裏切ること、ペテロがイエス様を否定することを予告するが、それと同時に「互いに愛し合いなさい」という“新しい戒め”を弟子たちに与えた。裏切りは、お互いの関係を破壊する行為だが、ここでお互いを結びつける「愛し合うこと」が命じられているのは、キリストによって、罪によって破壊された関係、神と人との関係、人と人との関係が神の愛によって再び建て直されることが示唆しているかのようである。
「わたしがあなたがたを愛したように」とあるが、神に逆らい神に敵対していた人間を、まず神が愛したように、キリストにある愛は、相手のためにまず自分からいのちを投げ出す愛である。もちろん私たち人間はそのような愛は持ち合わせてはいない。しかし、キリストにこの身を明け渡していく時に、キリストから無限の愛が流れ出るのである。