その子をイシュマエルと名づけなさい。主が、あなたの苦しみを聞き入れられたから。(創世記 16章 11節)
(創世記25章9~15節より)
神様から妻サラに子どもが生まれるという約束を頂いたアブラハムだったが、サラがなかなか身ごもらないことに業を煮やして、女奴隷ハガルに子どもを身ごもらせてしまう。優越感に浸るハガルにサラは怒り、彼女を荒野に追い出してしまうが、神はハガルの苦しみの声を聞かれ、彼女を励まし、アブラハムのもとに戻り、その子をイシュマエルと名付けるように命じる。サラにやがてイサクが生まれると、サラはハガルとイシュマエルを疎ましく思いまたもや追い出してしまう。二人が荒野で野垂れ死にする寸前のところを、神がその子の声を聞かれて、ハガルに水を与えいのちを救う。
ずっと離れ離れになって成長したイサクとイシュマエルだったが、アブラハムの死に際して、二人で父親を葬っている。その後イシュマエルには、主の約束通り12部族が与えられ、祝福のうちを歩んだイシュマエルは、アブラハムと同じく神の民に加えられた。
神は表舞台の人だけでなく日陰を歩んでいるような人にも目を留めてくださり、その苦しみの叫びの声をしっかりと聞いてくださる。そして神の福音は人間に、神と人とに対する和解をもたらす。
「主は聞いてくださる」という主の御名から名付けられたイシュマエルの生涯のうちに、私たちは神の福音のすばらしいみわざを見ることができる。